四年前

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その日のホームルームが終わっても、僕は孤立したままだった。 最悪な気分で鞄に筆箱だけを入れて帰る準備を終えたとき、後ろから肩を二度、ポンポンと叩かれた。 勢いよく振り向くと、目つきの悪い、「高校からは不良になります。よろしく」、といった雰囲気の生徒が立っていた。 「お前、あいつが喧嘩してほしいんだって。お前の目つきが気に入らないって言ってるから、喧嘩してあげてくれないかな?」 そう言いながら、彼は先程僕を睨んできた長身の生徒を指差した。 確かに昔から目つきが悪いとは良く言われていたが、そんなことで文句をつけられたことは今の今まで一度もなかった。 「で、どうする?喧嘩するの?しないの?」 男子生徒はそう言って、額が触れ合うくらいに顔を近づけてくる。 煙草臭い。 細い目に厚い唇、この態度といい、確実に中心人物にはなれそうもない男だ。 僕は彼をそう印象づけると、彼の後頭部を掴み、鼻目掛けて思い切り頭突きをした。
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