3cm

8/8
前へ
/46ページ
次へ
一寸法師は申し訳なく思いました。 自分のせいでこうなったのだと自分を責めました。 『お爺さん、お婆さん…腰痛に効く漢方薬が都にあるんだ…。僕、貰いに行ってくるよ。』 男の子の優しさに 『…全部お前のせいやないか。痛たたた…。ささっと行ってこい。つか、勝手にしたらえ~やないか…』 『分かったぁ。僕行ってくるよ。待っててね』 お婆さんは冷めた目で見ながら 『はぁ…痛い痛い。…顔も見たくないから、ささっと出ておいき…』 『よ~し、僕は頑張るぞ~。お爺さんお婆さん、行ってきまぁ~す』 男の子は背が小さい分、耳も勿論小さく、痛々しく話す老夫婦の声がまともに聞こえませんでした。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加