いざ都へ

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〔も…もう、これ以上走れないや…。〕 男の子は半ば諦めて肩の力が落ちました。 足もガクガクぶるぶると痙攣しています。 ネズミ伯爵の視界に映りました 男の子は、足が絡まり、やや斜めな土手を転げ落ちました。 『イタタタタ…ん!!』 その時男の子の目の前に、漆の剥がれた傷だらけの御椀が棄てられていたのです。 その御椀の近くには、折れた箸があります。 男の子は御椀の中に隠れようとしました。 しかし、ネズミ伯爵はすぐそこまで駆けてきます。 男の子は勢いあまり、川に御椀ごと流されそうになりました。 無我夢中で、近くにあった箸を持ったが、緩やかな川の流れにのまれそうになったので、すぐ御椀に入り込みそのまま流されました。
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