九条
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ネズミ伯爵はそのまま御椀に飛び込もうとしましたが、川の水に戸惑い、流れて行く男の子乗せた御椀をいつまでも睨んでいました。 男の子は、最初は慌てましたが、冷静に考えれば、ネズミ伯爵から逃げ切れたことや、このまま桂川を進めば、京の都へと行けると安堵しました。 しかし進むべき京の都への流れは逆流です。 緩やかな川の流れでも、さすがに川を昇るには至難の業です。 男の子は握ったままの箸を櫂にして、必死で漕ぎました
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