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一寸法師は娘と八坂の社へ行きました。
八坂の神に神符を頂こうとした矢先、社の裏から大きな鬼が姿を現したのです。
『きゃあぁぁぁぁ』
娘は驚き、腰を抜かしました。
その弾みで一寸法師は娘の肩から落ちました。
『久しぶりに見る絶世の美女だなぁぁぁ。
さぞかし肉も美味しいだろうなぁぁぁ。』
鬼は娘を見下ろしながら、腹を空かしたように言いました。
娘は首を左右に何度も振り
『わ私は…とても不味い人間です…。どうか…どうか食べないで下さい。…そ、その代わり、この小さな生き物を差し上げます』
娘は地面でバタバタしている一寸法師を手に取り、震えながら差しのべた。
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