難波

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ある日… 『婆さんや…こんな歳になっても、わしゃ息子が欲しい…。 せやけど…わしゃもう、元気があらへん…体力も…下のほうも…』 お婆さんは答えます 『お爺さん…。わたしゃもう、濡れへん…。 …せやなぁ、子供…欲しかったなぁ…』 二人は肌寒い秋の夜空を切なそうに眺めています。 『…あ、そうそう…お爺さん……隣のヨネさんに聞いたんやけど…子を授かりたいなら住吉様にお願いしたら、って言いよったこと忘れてた…』 お爺さんは目を見開き驚いた 『婆さん…そのこと、いつ聞いた…?』 『…う~ん…さっき思い出したけど…聞いたのは…40年前やったなぁ…』 お爺さんは言葉をうしないました…
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