◇二話◇

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テメェ、向こう向いてろよ!と顔を赤くして恥ずかしがる白い生き物を、ちょっとだけ可愛いと思ったのは内緒だ。 「取りあえず、手当てと乾いた服の礼は言うぜ。 けど、それとこれの話は別だ……なにが目的だ。あとそれに誰だテメェ」 おいおい青年、今ごろ誰何かね。 順序が逆だぞ。 日本語は正しく使いましょうよ。 っていうか、それ以前に日本人なのかお前は。 「こういう時は、まず自分から名乗るって習わなかったのかね?」 「あぁ? なんでこの俺サマが名乗んなきゃなんねぇんだよ」 言動から薄々分かってはいたが、どうやらコイツには常識という代物が存在しないらしい。 うん、お前…あとで覚悟しろよ。 みっちり躾直してやるからな? ちなみに啼いて叫いたって止めてやらないんだからな、アッハッハ。 「ハァ…ま、ケースバイケース…仕方ないか。私の名は深白(みしろ)だ。好きなように呼んでくれ。で、アンタは?」 「……クロードヴィヒ」 何処の国の人間だろう? 響きとしては、ヨーロッパ圏のような気もしなくもないが…。 それにしても貴族めいているというか、何だか高貴な名前だなぁ。
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