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テメェ、向こう向いてろよ!と顔を赤くして恥ずかしがる白い生き物を、ちょっとだけ可愛いと思ったのは内緒だ。
「取りあえず、手当てと乾いた服の礼は言うぜ。
けど、それとこれの話は別だ……なにが目的だ。あとそれに誰だテメェ」
おいおい青年、今ごろ誰何かね。
順序が逆だぞ。
日本語は正しく使いましょうよ。
っていうか、それ以前に日本人なのかお前は。
「こういう時は、まず自分から名乗るって習わなかったのかね?」
「あぁ? なんでこの俺サマが名乗んなきゃなんねぇんだよ」
言動から薄々分かってはいたが、どうやらコイツには常識という代物が存在しないらしい。
うん、お前…あとで覚悟しろよ。
みっちり躾直してやるからな?
ちなみに啼いて叫いたって止めてやらないんだからな、アッハッハ。
「ハァ…ま、ケースバイケース…仕方ないか。私の名は深白(みしろ)だ。好きなように呼んでくれ。で、アンタは?」
「……クロードヴィヒ」
何処の国の人間だろう?
響きとしては、ヨーロッパ圏のような気もしなくもないが…。
それにしても貴族めいているというか、何だか高貴な名前だなぁ。
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