◇二話◇

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「いい名前だな、あんた…どこから来たんだ?」 「よくぞ訊いた!」 「…そうか? (さっきは関係ねーとか言ってなかったか?)誰でもまず最初に訊くと思うんだが…」 大袈裟なリアクションで指を突き付けた白い生き物…もといクロードヴィヒの大声に深白は眉を顰める。 「訊いて驚くなよ? オレはアストライア帝国国王、クロードヴィヒ・ベルンシュタインだ!」 「って威張られてもね…そんな国知らないし」 「知らねーとか有り得ねぇし?!」 「お前のでかい声の方が有り得ねーよ。 それよりお前、王サマなんだろう? いいのか? そんな易々と名乗っちまって」 「はんっ、別にかまやしねーよ。どうせここじゃ誰もオレを知らないんだからな。 こんな辺鄙な異世界じゃ特に……でもいちおう、念のために訊いておく。ここは何処の、なんて名の国なんだ?」 クロードヴィヒと名乗った男は、どっかりと胡座をかいたままの姿勢で身を乗り出す。 口では尊大に虚勢を張るものの、目は落ち着きなくそわそわと泳いでいる。 平静を保っているつもりだろうが、口と行動が思いっきし伴ってない。 (ふーん、なんだ…コイツ怖がってんのか) 見ていて、なんだか色々と不憫な奴だ。 (これが、俗に言われるヘタレってやつなんだろうな。 初めて見た記念に、後で写メしておこう)←失礼 そんな『いま気付きました』的な顔で言われても…笑えない冗談は止してほしい。 確証も、特に信じる気もないのに、気がつけばなぜか口が勝手に動いて説明をしていた。 …まただ。 さっきと同じ、違和感が浮き上がる。 「まず、ここは日本という国で、その中でも北方地域にあたる場所。そして、いまお前がいるのは私の家だ。 理解したか?」 説明しながら、不可解な自分に苛立ちを覚えたが、いま重要なのはそこではない。 コイツをどうしようか…。
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