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隠し事だらけな私なのに、なのに彼は優しい…。
今も昔も、変わらずに彼はこんな自分についていてくれる、頼れる兄貴分だ。
「……ハァ」
ちゃんと嬉しいのに、そう思った次の一瞬には、もう冷めている体質がなんとかなればいいのに。
せめて、笑顔くらいは作れたら何か変われると思うのに、意思が身体についていってくれない。
動かない表情筋。
思うのに動かない、私の心。
考えるほど、自己嫌悪になる。
冷めていることを理解していながらも、自分が冷たいと思えない私はきっと――認めたくはないが、嫌いな養父によく似て心の芯まで凍った冷たい人間なのだろう。
その日は、憂鬱な気分のままぼんやりと職務時間を過ごした。
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