目を閉じたらあら不思議!

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夏にしては涼しく、過ごしやすい日になった今日。 大学の授業が終わった私は、高校時代の友達と遊ぶ約束をしていた。 昨日久しぶりに電話がかかってきたと思ったら、第一声が 「も~結菜(ユナ)に語りたいこといっぱいあるの!!」 だった。 あまりにも大きな声で言うものだから、大体‥というか確実にアレのことを語りたいんだろう。 少しお洒落な雰囲気のカフェで待ち合わせ。 先に着いた私は、暇だったから化粧直しをしていた。 涼しい日とはいえ、季節は夏。 胸くらいの長さの黒い髪を、高い位置で一つに括った。 男に人気のあるポニーテールってやつ。 高校生の時よりも少し大人っぽく、水色のワンピースに白いブラウス。 まあ素晴らしく似合わない。 よーし!ナンパこいやぁぁぁ!! って心の中で待ってみるけど、ナンパをしてきそうな男はいない。 「結菜ー!」 男の代わりにやってきたのは、私が待っていた友達の美幸。 相変わらずギャルっぽい美幸は、茶髪の髪にパーマをあてていて可愛らしい。 「美幸久しぶりー!待ってたよ~」 「昨日京都に行ってきたの、はいお土産ー!」 私の前に座ると、美幸は茶色の小さな包みを渡してきた。 「まさか‥また新選組系?」 「あったりー!今回は誠の旗の携帯ストラップだよ」 にこにこと笑いながら言われては、何も言えなくなる。 美幸から貰った新選組グッズは、既に私の部屋にたくさんある。 そう、美幸は大の新選組好き。 この見た目からは絶対にそうは見えないんだけど‥。 なんでも小学生の時に、親と新選組の時代劇ドラマを見て好きになったらしい。
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