206人が本棚に入れています
本棚に追加
夏にしては涼しく、過ごしやすい日になった今日。
大学の授業が終わった私は、高校時代の友達と遊ぶ約束をしていた。
昨日久しぶりに電話がかかってきたと思ったら、第一声が
「も~結菜(ユナ)に語りたいこといっぱいあるの!!」
だった。
あまりにも大きな声で言うものだから、大体‥というか確実にアレのことを語りたいんだろう。
少しお洒落な雰囲気のカフェで待ち合わせ。
先に着いた私は、暇だったから化粧直しをしていた。
涼しい日とはいえ、季節は夏。
胸くらいの長さの黒い髪を、高い位置で一つに括った。
男に人気のあるポニーテールってやつ。
高校生の時よりも少し大人っぽく、水色のワンピースに白いブラウス。
まあ素晴らしく似合わない。
よーし!ナンパこいやぁぁぁ!!
って心の中で待ってみるけど、ナンパをしてきそうな男はいない。
「結菜ー!」
男の代わりにやってきたのは、私が待っていた友達の美幸。
相変わらずギャルっぽい美幸は、茶髪の髪にパーマをあてていて可愛らしい。
「美幸久しぶりー!待ってたよ~」
「昨日京都に行ってきたの、はいお土産ー!」
私の前に座ると、美幸は茶色の小さな包みを渡してきた。
「まさか‥また新選組系?」
「あったりー!今回は誠の旗の携帯ストラップだよ」
にこにこと笑いながら言われては、何も言えなくなる。
美幸から貰った新選組グッズは、既に私の部屋にたくさんある。
そう、美幸は大の新選組好き。
この見た目からは絶対にそうは見えないんだけど‥。
なんでも小学生の時に、親と新選組の時代劇ドラマを見て好きになったらしい。
最初のコメントを投稿しよう!