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「うーん、そう言われてみるとそうだね。
もっと名前が上がってもおかしくない人っているのかも」
私がそう言えば、美幸はでしょ!?と嬉しそうに言いながら身を乗り出した。
どうやら今日美幸が語りたい内容は、池田屋事件で亡くなった人についてのようだ。
私もその話は聞いたことなかったから、少しだけ気になる。
美幸の影響力は本当にすごい。
近藤勇が率いる隊が池田屋に突入し、後に土方歳三が率いる隊も到着。
土方歳三は他の藩に手柄を取られないようにした。
土方歳三は、鬼の副長と言われていて恐れられていたらしい。
写真を見たら、これまたイケメンで。
新選組好きの女の子に人気だという理由もわかるようなわからないような‥。
「池田屋事件だと、奥沢栄助(オクザワ エイスケ)さん、新田革左衛門(ニッタ カクザエモン)さん、それから‥安藤早太郎(アンドウ ハヤタロウ)さんと」
「安藤!?」
「ん?あ、そっか。結菜の名字も安藤だったもんね~」
安藤と言われたから思わず声を上げれば、美幸はけらけらと笑っている。
別に安藤って名字は珍しくはないけど、何故か反応してしまった自分が不思議だった。
「でも、聞いたことない名前だな」
「そりゃそうでしょ。新選組といえば近藤!土方!沖田!っていうイメージが多いからね」
ああ、確かにそうかもしれない。
やっぱりその三人が一番メジャーなのかな。
安藤早太郎という名前が頭から離れないまま、しばらく美幸の熱い語りを聞いていた。
―――――――――――
「はっ!今何時!?」
二時間ほどたっただろうか。
新選組の話だったり互いの今の話をしたりしているうちに、時間を忘れていた。
「今?もうすぐ五時になるよ」
「マジで!?うわぁぁぁ五時からタイムセールあんの!スーパー行かなくちゃ!!」
「タイムセール?スーパー?‥‥‥あはははは!」
私が焦りながら立ち上がると、美幸は大爆笑。
面白い事を言ったつもりはないんだけど‥。
私、正確には私達には親がいない。だから家事は自力でやっている。
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