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そんな色んな思い出のあるタイムセール。今の私には敵なしなのさ!
スーパーについてカゴも持たずに、卵のコーナーへ。
そこには今か今かと待ち構えている主婦という名のおばちゃんがたくさんいる。
よっしゃあどうにか間に合ったぁぁぁあ!!!
スルスルとおばちゃん達の中に無理矢理混ざり、ベストポジションGETだぜ!
「はーい卵のタイムセール始まりまーす!」
メガホンを口に付けて、店員さんが叫ぶ。
それと同時にワッとたくさんの手が卵に伸びた。
その流れに身を任せて私も手を伸ばす!
これ、ベストポジションを取っておけば意外とよかったりする。
そんなこんなでいとも簡単に卵GET!
さて、後は必要な物適当に買って帰ろう。
お腹を空かせた生意気な弟と妹が待っているから。
―――――――――――
「ただい」
「「遅い」」
家に入った途端、二つの声が綺麗に重なる。
腕を組んで私を見る弟、直哉。
腰に手を当て私を見る妹、結衣。
「誠にすいません」
不良と言われた安藤結菜も、弟と妹にはこんな扱いなのさ!
二人の目に若干傷つきつつ台所に向かうと‥あれれ、浴衣が散らかっているぞ?
浴衣と帯がぐちゃぐちゃになっている。恐らく結衣が着ようと思ったけれど、着れなくて断念したんだろう。
「夏祭り行くって言ったでしょ。浴衣着せて」
ショートヘアがトレードマークのクリッとした可愛い目の結衣。
だけど性格は我が儘。末っ子だからかな?
「ごめんごめん、おばちゃんと話してたの」
「お前‥一応女子大生だろ?その歳で井戸端会議かよ」
「うるさいうるさーい!直哉は暇なら買ってきた物冷蔵庫に入れて!」
「へいへい」
結衣に浴衣を着せながら直哉との言い合い。
ムカつくけど、こんな日常が楽しくてたまらない。
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