天才はイチタスイチが解けない。

第一章 始まりは雨の中

アイの父、秀利は
小・中・高の私立受験の度に
どこからか
家庭教師を連れてきた。

大抵それは
秀利が教授を勤める大学の
大学生だ。

幼稚園の年長組
小学校六年生
中学校三年生になると

その一年間の毎週土曜日は
一日中"勉強"を
しなければならなかった。

無論、受験を成功させるためだ。