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「ほら、この辺があんたが言っていた辺りだ。しかし、村のはずれには何にもねぇべ。何用だ?」 しゃがれ声の老人が、久しぶりの訪問者に不思議そうに顔を向ける。真っ白な、長いヒゲが特徴的だった。 「案内してくれてありがとう。あまり、詳しくは知らないが、友人が昔ここの人間に世話になったんだ。このあたりに人は住んでいるのか?」 茶色く、短い髪の男は老人にこう訪ねた。目は鋭く、どこか光がなかった。 「2、3戸家があったかもしれないが、なにせ駅からも離れてるで、詳しくは知らんねぇ。」 「そうか。ありがとう」 「どうしますかい?私が案内できるのはこの辺まででっせ。」 チラッと老人を見やってから、鋭い眼光で青年はあたりを見回した。 とにかく、まずは手がかりをつかまなければならない。今回は絶対に、失敗できないんだ… 「おい、兄ちゃん。聞いてるか?どこまで案内すればいい?」
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