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先輩の字は、知ってる。
先輩は絶対覚えてないけど。
俺は先輩の字を見たことがあったから。
「助かりました。ありがとうございました。忘れないように俺やります!
でももしまた忘れてたら手伝ってくれますか?」
問い掛けるように尋ねれば、先輩は恥ずかしそうに破顔して、
「若葉クンがいいんだったらいつでも助けるよ」って言ってくれた。
やっぱ先輩は、かわいいや。
「じゃあお茶にしません?」
暗に、俺に仕事してること隠さなくていいよと伝えると、
先輩はまた嬉しそうに、
「俺、ダージリンねぇ?」
ってコテンと首を横にして、
か、かわいい。
「了解!」
よかった、俺、風紀はいって。
なんて、一人つぶやき、
委員長ににらまれた、とある日の午後。
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