プロローグ ─私を失う時─

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ダメ……ダメ……ダメ……っ!! 少しずつ小さくなってゆく背中。 止めなきゃ、じゃないと、このままじゃっ。 体は動かないのに想いばかりが強くなり、体の中は行き場のない感情ではち切れてしまいそうだ。 冷たい風は勢いを増し、耳に嘆きのような音を残す。 あなたは縁に立って言った。 「バイバイ、優。」 その口調は穏やかで、普段夕日の中で交わすものと何も変わらなかった。 あなたが見えなくなった。 この時、私は私ではなくなった。
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