プロローグ

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『課題見せてよ。』 『なぁなぁ今度の模擬さぁ何点だった?』 『次のテスト昼飯賭けない?』 『ねぇ数学教えて。』 どうってことのない受験を控えた生徒同士のやりとりが5・1サラウンドばりに繰り広げられている。 もう近々推薦入試も始まる頃だろう。(もうはじまってるのか?) あまり興味はない。 俺はというと一応三流もいいとこの大学を三つくらい候補に上げて推薦する予定で、まだまだ先になりそうだ。成績もまあまあなので問題はなかろう。 あったところで意味はない。そんな時には専門学校にでも行けばいい。つまりは将来に対してそこまで興味や期待を置くほどの情熱とやらを持ち合わせてはいないんだ。 ただ漠然と“大人”を押しつけられていくんだろうとか考えていたが、それも面倒になってきた。 チャイムがなりそこらに散らばってた生徒がそれぞれ規則正しく並べられた机に向かう。 また約一時間“大人”になるための知識を学ぶわけだ。 たまには思うよ、全部ぶっ壊れてしまえって。そんな願いが叶うわけもなく、また叶ってしまったらしまったで結構困るかもしれないということも一応頭の隅には有る。 でも俺ならそれでも何となく行けるような気がするけどな。
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