プロローグ

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俺はと言うと………、二~三年前に発売されたあまり知られてないバンドのCDを片手にとっていた。 当時このアルバムの『堕天使』と言う曲が好きで探そうとして、ついに見つからなくて諦めたCDだ。これも何かの縁だと思いそれを片手に持ったまま店内をぶらぶらと見て回る。 祐樹はまたぶつぶつ言いながら物色をしてる。 既に三冊ほど持っていた。 祐樹は嬉々として話し掛けてきた。 『こんなマニアックな物までそろえてるなんて嬉しいね。ほら、これなんてもう廃盤だよ。』 確かにマニアックなCDが多い。採算はとれるのだろうか?ま、俺が考えるべきではないな。 上機嫌の祐樹は俺の右手にあるものを見つめまた話だす。 『そんな物まで有るんだ。ここ田舎だからさ結構そういう奴少ないんだよね。俺もそれを昔探したけど無かったんだよね。ついでだからそれも買ってこ。』 祐樹はそう言うとさっき俺がいた場所へ向かいぶつぶつ言いながら俺の持つそれと同じパッケージの物を手に取りレジへ向かう。 ぶつぶつ言ってるのはタイトルのようだ。
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