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昨日…あれから特に会話が弾む訳でもなく…ただただ時間だけが過ぎていった…。
…“沈黙”という言葉は1番苦手…。
嫌な事ばかりが頭を過ぎる…。
だが…そんな沈黙を破ったのは海斗の方だった。
『そういえば…お前…何で今日ここに来たんだ?』
『それは…美優から切羽詰まったような声で電話かかってきて…何かあったのかって急いで走ってきたら…実は相談にのって貰いたい人がいるって
言われて…現れたのが貴方だった訳で…』
『相談?…俺…そんなの千聖に頼んでね~けど?』
『え?…それを私に言われても…未だに状況飲み込めてないのに…』
『なぁ…愛莉は今から用事とかあるのか?』
『用事?ないけど何で?』
『用事とかないなら、久しぶりに逢ったんだし、ちょっと付き合えよ。』
『“付き合えよ”って…何でそんなに威張ってるのよ…。』
『威張ってる訳じゃねーけど…ウ~ン…じゃあ…付き合って下さい?』
『あはは。何で疑問形になってんの~。』
『やっと笑ったな。』
『…え?私…さっきとかも笑ってたよね?』
『バ~カ。…作り笑いかそうじゃないかぐらい俺にだって分かるっつ~の。お前…俺の事どんだけ鈍いと思ってる訳?』
そう言われて…愛莉はかなり驚いた。“…今まで…誰一人…私の表情の違いなんか気付かなかったのに…どうしてこの人には分かるんだろう…。”
『“何で?”って顔に書いてあるぞ。鏡見てみろ。』
『え?嘘!』
と…本当にバックから鏡を取り出して必死に顔を見ている私をよそに…海斗は爆笑してるし…。
『あはは。そんなの嘘に決まってんじゃん。お前…何でも信用するとこ変わってね~のな。』
『酷い!騙したのね!』
『騙した訳じゃね~よ。いくら離れてたって言っても、何年間お前の事ずっと見てたと思ってるんだよ。』
『え?“ずっと見てた”って?』
『…お前…どんだけ鈍いんだよ…。』
『…え?…それって…どうゆう事?』
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