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『…お前…ここまで言ってもまだ分からね~の?俺は…お前の事が好きだったって言ってんだよ!』
『へ?海君が私の事好き?何で?』
『“何で”って…お前ね…好きになるのに理由なんていらね~だろ!』
…私は海斗の言葉を聞いて…余計に状況が飲み込めなくて…思考が止まってしまった。
『愛莉?…お~い…聞こえてるか?俺…今…告白したんだけど…無反応って…マジで勘弁してくれよ…。何の罰ゲームだよ…これ…。』
海斗は完全にフリーズしてさまった愛莉を見て…思わず頭に抱えてしまった。
…10分後…
愛莉は“ハッ”と我にかえり…さっきの海斗の言葉を再度反芻した…。
『あれ?…海君…今“好きだった”って言ったって事は…過去形!?』
『…やっと喋ったと思ったら…突っ込みかよ!?しかも突っ込むとこはそこかよ!?』
『…だって…過去形で言われたら“昔好きだったけど今は好きでもない”みたいに聞こえたから…』
思いもよらぬ告白で舞い上がった気持ちが…過去形で言われたと気付いた途端に…谷底に落とされた気分だった…。
『そんなに凹む事か!?ちょっと言葉間違っただけだし…って言うか…俺…一言も“ 今は好きでもない”とか言ってね~けど?』
『…あ!?…そっか!!』
落ちた気分がまた一気に上昇したのが表情で分かったのか、海斗は我慢出来ずに吹き出した。
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