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美優から電話があってから10分後…私は息が切れるのも構わずに走って走って…やっとの思いでたどり着いた…。
…でも…たどり着いた先に待ち受けていたのは…さっきの携帯の尋常じゃない声音を発していた彼女からは想像もつかないような満面の笑みを浮かべながら手を振っている美優の姿だった…。
『ハァ…ハァ…あれ?美優…電話での様子おかしかったから急いで走って来たのに…あれ?何かおかしくない?』
私は…急いで走って来た疲労と…美優の満面の笑みで力が抜けて…その場にへたりこんでしまった。
『愛莉~。早かったね』 『…ハァ…ハァ…あのね…あんな電話貰ったら誰でも急ぐでしょ?それなのに…その満面の笑みは何事?意味が分からないんですけど?』
『ゴメンね!どうしても愛莉に来て貰うのには、ああするしかなくて…。普通に電話したら…愛莉来てくれない確率高いし…』
…って…完全に私の考え読まれてる…。
美優ってめちゃくちゃ天然キャラなんだけど…案外侮れないんだよね…。『そんな事ないよ!美優は大切な友達だもん。予定があったって美優を優先して会いに行くよ!』
『…本当?怒ってない?』
『怒ってなんかないよ。ところで話って?』
『…うん…それがね…』美優が話ずらそうに事の真相を語り出した…。
…その話を聞いた私の怒りのメーターが上がり出したのは言うまでもなく…つい声を荒げそうになったが…何とか踏み留まった!
…美優が話始めた事の真相とは…。
…っていきなり話しても理解するの難しいから…まずは美優の話をするのが先かな…。
秋本 美優(あきもと みゆう)は、定時制の高校に通う18歳の高校3年生。彼女には、“新妻 千聖(にいつま ちさと)”という5歳年上で23歳、茶髪で今風のファッションをしながらも、真面目に自分が経営するサーフショップで働いている彼氏さんがいるのだが、2人が付き合って1年も経つというのに、未だにラブラブぶりが変わらないだけに留まらず、千聖は美優が可愛くて可愛くて仕方ないらしく…過保護すぎるぐらい美優にベッタリで…毎日メールに電話にと大忙しだ…。
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