Ⅰ・星喰真実

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「暑い……」 ありのままの心境を呟いてみる。 八月の上旬。 夏真っ盛りの、とある住宅街。 僕こと――犬神真琴は片手にレジ袋を提げ、コンクリートで固められた道を歩いていた。 袋一杯に詰められたアイスキャンデーを片手に、小さなため息をついてみる。 「シュシュのやつ、こんなに食えないだろうに」 それにしても、地球温暖化とはよく言ったものだ。 温暖化なんて生易しいものじゃない、地球灼熱化と言われても不思議じゃない。 と、そんな事を思いながら、僕は住宅街に設置された、錆びたブランコしかない小さな公園に足を踏み入れた。
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