Ⅰ・星喰真実

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誰も居ない公園。 ブランコに腰を降ろす。キィ、と嫌な音がした。 「すまん、シュシュ。僕は地球に勝てそうにない」 と、一人で懺悔しながらアイスキャンデーを一つ、袋から取り出す。 涼しそうな水色をした、棒状のアイスキャンデー。 袋を丁寧に開け、口に含もうとしていた――その時、 「はああ、美味しそうですねぇ」 隣で、物欲しそうな声がした。 「どなたですか?」 肩まで伸びている灰色の髪に、緑色のジャケット。中には赤色のシャツを着ている。下は、動きやすそうなハーフパンツ。 「私ですか?私は私は、星喰真実(マコト)ですっ」 大きな瞳の彼女は、確かにそう言った。
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