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「ぎゃー!わー!!きゃー!!!にゃー!!!」
「うるさいなあ」
アイスキャンデーを舐めようとすらしないで、咀嚼し終えた後、隣で騒いでいる真実ちゃんに言う。
「あなたは鬼ですか!悪魔ですか!人間ですか!?」
「これでも僕は、れっきとした人間だよ」
僕は鬼でも悪魔でもない。
魔女なら知ってるけど。
「自分で人間と言う人を人間とは認めません」
明らかに不機嫌そうな表情を浮かべる真実ちゃんだった。
「――ところで、鬼畜さん。あなたのお名前は何ですか?」
「鬼畜じゃない。僕の名前は――冷水涼(ヒヤミズリョウ)」
「あらら?随分と涼しそうな名前ですね」
「地球灼熱化が進んでるからね」
「灼熱化ですか。あれ?温暖化だった気が……」
首を傾げる真実ちゃんを横目に、僕は袋を掴み直す。
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