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「…………………………は?」
こんな優雅な午後に似つかわしい、切なげに喘ぐ声。
しかも、男の。
恐る恐る姉貴を見ると、
イヤホンが繋がっていないiPodを持っていた。
そして、世界中の男が恋をしてしまいそうな笑顔で言い放った。
「『今夜も残業愛(ラブ)~俺様上司の落とし方~』」
「今夜も…残業…ラブ……?」
「新しいBLCDが昨日届いたの。イヤホン外れちゃった。良いとこだったのになー」
恥ずかしげもなくそう言う彼女の手のひらの中から
男のあんあんと言う喘ぎ声。
イヤホンとiPodを繋ぎ、また自分の世界に浸ろうとする彼女を凝視してしまう。
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