踏切少女は深紅に染まる

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そしてまた、朝が来た。明日が来た。 「…………」 正義を貫き通せ、か。 「出来るのか? 僕に」 僕はただ、逃げ出したかっただけなのかもしれない。 「守れるのか? 僕は」 ああ、そっか。勇気を向ける方向、間違ってたんだ。 「……やってやるか」 さあ、足を踏み出そう。 「後悔、しないようにさ」 とある中学校の、とある教室の前。ドアで隔てられた、あの世界。 何もかもぐちゃぐちゃで、嫌なこともいっぱいある、糞ったれで馬鹿みたいな世界。 でもさ、僕は僕だから。 僕はもう、逃げないから。 「…………」 心臓の高鳴りを感じながら、ドアに手をかける。 不思議とあの時より……命を絶とうと踏切に入った時より、ずっと楽だった。
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