4人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「好きです!付き合ってください!」
深々と頭を下げ、告白相手に向かって歪み無く手を差し伸ばす。
恋愛において王道的なシチュエーションだ。
何故このシチュエーションを選んだのかと言うと、親友曰く「ああいう女はガンッ!と言った方がいい」とのこと。
それから、親友といくつものシチュエーションを検討した結果、これとなった。
しかし、返事までの間が長い…
親友曰く、「告白→即返事→彼女ができましたー の流れでいくから緊張しないぞ!」と自信満々に言ってやがったのに…!
駄目だ。緊張して手足が震えてきた。
「ぁ…あの、こちらこそよろしくお願いします!」
そう聞こえ、震える手に温かな手が覆いかぶさった。
僕は一瞬良く分からなかったが、彼女の方を見ると少し俯き、涙目になりながらも嬉しそうに此方を見つめていた。
この瞬間心が舞い上がった。数年間の思いが今実った事を実感した。
最初のコメントを投稿しよう!