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漸く小屋の入り口にまで来て彼女の顔を見上げる。 年上だからか、幾分私より身長の高い彼女の目を見るには、私が少々顔を上げなければならない。 視線で彼女に、何の用かと訊ねる。 彼女は無邪気な笑顔を私に向けたまま、元気な声で「オキャクサマ!」と、片言な言葉で言い放った。 それに私は僅かに眉間に皺を寄せ、頷くと、小屋の扉に手を掛けた。 引き戸式の扉を横にスライドさせ、中に入る。 其ほど広くない小屋の中には3人の人間がいた。 2人は女、1人は男。 全員見知った顔ではあるが、私は1人の顔を見て眉間に更に皺を寄せた。 小屋に入った私に、その場の全員の視線が集まる。
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