11人が本棚に入れています
本棚に追加
「てか洵にいは気にしすぎだって。俺は迷惑になんか思ってないし、好きでやってるんだ」
潮はニコリと笑いながら、洵の前にマーガリンを差し出す。
「はい、まだ塗ってなかったから」
「あ、ああ。すまんな」
洵は差し出されたマーガリンを受け取り、トーストにそれを塗りつける。
「てか、時間は大丈夫? 特に潤にい」
「だいひょーふだいひょーふ」
お気楽にそう返事するが時計を見る限り、そうゆっくりはしていられなかった。
潤と潮以外の三人はもう朝食をほとんど食べきっており、学校には余裕で着くだろう。
だが、ほとんど朝食にありつけていない潤と潮は少し急がなくてはいけなかった。
潮は今度から朝食を食べてから家族を起こそうと密かに決めたのだった。
「あ、父さんと母さんは?」
ふと、思い出したかのように潮は尋ねる。
「二人は大慌てでさっき出ていったよ。なんか、今日は二人とも早いんだって」
滴はリビングにかけられてる鏡を見て、髪を結びながらそう答える。
「そっか、もっと早く起こせばよかったなー」
「潮は悪くねえよ。こうやって飯を作って、弁当まで用意して家族全員を起こしてくれてるんだから。俺は感謝してるぜ」
「潤にい……」
最初のコメントを投稿しよう!