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「潤、お前は潮をベッドまで運んで! 涼は氷枕の準備、滴は潮の着替えを用意して!」
洵のてきぱきとした指示に従い、全員が動き出した。それは滞りなく流れ、潮は重い瞼を閉じた。
どれくらいの時間がたったのだろうか。
潮はふと目を覚まし、周りをキョロキョロと見回す。
ここは自分の部屋。いつの間にかパジャマに着替えている。熱冷ましも市販のだが準備されていた。
時計を見るともう夜中の一時くらいだ。最後に記憶が途切れたのは夕方の六時くらいだから、結構な時間寝ていた事になる。
枕の感触がいつもと違い、ゼリーのような柔らかさを頭に感じる。きっと誰かが氷枕を用意してくれたんだろう。
「みんな、ありがとう」
潮はきっともう寝ているであろう兄弟たちにお礼を言った。
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