津軽海峡の女

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何故…綾は不幸な女だ…そして、青森の大イベントのねぶた祭りも終った、パートだけでは母子三人の生活もままならなくなっていた、長女の紅美を幼稚園にも行かせられず、今月から二人の娘を保育園に行かせる事にした、そうしないと生活も出来ない、夫の美夫は、自分達の生活に金が掛かりこっちの生活まで面倒を見る気にもなっていなかった、そんな中、美夫の方から離婚をしてくれと相談が来ていた、綾の方は紅美と流美は、自分で引き取って離婚の決心をした、しかし、夫の美夫は子供二人は自分が引き取る、女もそれを同意していると言っている、綾は絶対に子供は渡さない、それが駄目なら離婚は絶対にしない、と両者の意見は真つ二つに別れた…仕方なく家庭裁判所に離婚訴訟を起こす事になってしまった… 東北の夏の終りは早い、もう秋風が肌寒い季節に入って来た、紅美と流美は保育園から帰って来ると、家の手伝いや留守番をしている、季節も秋から冬へと流れて行く… そして何回となく重ねて来た家裁の結果は親権者は夫、美夫が親権者として相応しいとされてしまった、
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