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あと15分でバスがきてしまう…
学校送迎のバスだとその時間しかない。
市営バスならもっと本数もあるけどあまりの人口密度に酸欠で失神を起こしそうになるからダメだ。
家からバス停へは徒歩5分。そうなると私には10分の時間しかない。
机の弁当を2つカバンにつめる。
食い意地の張った女と思われるのは嫌なので説明するが、
片方は朝食用。もう片方は昼食用なのだ。
こうやって寝坊するのは毎度の事で朝食を食べる暇がない私の為に母がつくってくれる。
中身は全く一緒だけれど作ってくれるだけ嬉しい。
母の愛のおかげで私は顔を洗って歯を磨くという2つの作業を10分間、念入りに行ってから家をでる。
歩きながら鞄から黒に白いレースがあしらわれたゴシックなポーチから手鏡と櫛を取り出して髪をとかす。
…周りからみたらナルシストみたいだ
とかしおわる頃にはバス停について、ポーチに鏡と櫛をしまうとちょうどよくバスが来る。
プシューっと音を立てて扉が開きトントンっと階段をあがる。
バスの一番後ろに座って誰もいないバスを眺めながら弁当を取り出す。
いつもバスに一番乗りの私はあと20分後の停留所まで一人なのでのんびりお弁当をひっそり食べられるのだ。
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