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学校前の停留所で降りて妙にでかい校門をくぐる。
学校はカタカナのコの形でちょうどコの窪みが学校の昇降口になる。
他の学校よりは立派な学校なんだとこんな私でも思うからよっぽどなんだ。
昇降口から階段を上った二階に私の教室はある。
「羅夢~おはよぉ」
「愛。おはよう」
名前通り愛らしい声で挨拶をしてくれる私の親友の立花 愛(タチバナ マナ)は腰まで伸ばした茶髪の髪を頭の横で2つに結び、大きい茶色の瞳で彼女の可愛さを強調する。彼女は親が芸能人御用達の美容院の経営者で、その娘の愛も髪のアレンジが得意だ。
ちなみに愛はその時のテンションによって髪を結ぶ位置が変わる。
普通の時は耳の横。テンションが高い時は高い位置でツインテール。落ち込んだ時は優等生のように下で2つに結んでいる。
1日にその3つの髪型を目にしたコトもある。
見た目ギャルっぽいが優しくていい子だ。
「あっ!由香だぁ」
愛は教室の扉をみてニヘっと笑う。その笑みが可愛すぎるっ!
「おはよう!」
佐藤由香(サトウ ユカ)はサバサバ系女子として人気なのだ。
白黒ハッキリしていて悩むコトはまずない。相談すると一番親身になってくれてカウンセラーを受けるよりもいいことをいってくれる。
肩より長い漆黒の髪を後ろに一つ束ねていて彼女をより凛とさせる。
カワイイよりはキレイ。
「そういえばさぁ」
愛は何冊か付箋がいっぱいついたファッション雑誌を取り出してあるページを開いた。
…すべて恋愛特集のページだった。
そして目を輝かせながら
「運命って信じる?」
と言った。…今日はお昼までこの話題だと私達は覚悟した。
「初めてのきすかぁ」
愛は夢をみるかのようにつぶやく。キスの単語になれないせいかイントネーションがおかしかった。
「どんな感じだった?」
夢から覚めた愛は私達をみる。
私は言葉に詰まった。
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