家庭環境

2/5
52人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
幸い、とても古く小さくボロながらも父方の祖父母が両親が結婚したときに準備してくれた持ち家があったため、どうにか生活ができていた。今は亡き祖父母には感謝しても仕切れない。持ち家がなければどれほどひもじい生活だったか容易に想像できるから。それでも持ち家があったとしても、かなりの貧乏の部類に入っていたと思う。うちの収入といえば母親が近所の農家を手伝って得た収入がメインで農家は冬期間は手伝いが激減するため、今思えばどうやって生活していたのだろうと思ってしまう。母親もだらしのない父親で苦労したのは大変だったと思うが、お金の使い道の計画性がなく、自分のものを買ったりはしないし、贅沢をしていたわけでは決してないのだが、お金が入ると食卓の品がお肉や魚など豪華に、給与日前はほとんどもらった野菜だけという感じだった。 田舎だったため、野菜や果物は近所の農家や親戚からもらえたため、食べ物がなくお腹が空いてひもじい思いはあまりしなかったが、電話はよくとめられ、友達に電話がつながらなかったといわれ、かなり恥ずかしい思いをしたこともある。今はわからないが、昔は電気は1ヶ月程度なら料金滞納してもなかなかとめられなかったが、電話は生活に支障がないからかすぐにとめられ、うちにお金がないことを実感させられ、悲しいようななんともいえない気持ちになったものだ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!