Quest.11 『激闘、竜の巣穴』

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「ゲギャ、ゲギャ、ゲギャ」 尻尾を巻いて逃げ帰らんとする俺たちの行く手を、待ってましたとばかりに魔物の群れが遮ったのだ。 「なるほどな。あの獣の骨は、コイツらの仕業だったわけか」 かつてベテルギウスの西地区で戦った巨大トカゲたちが、いつの間にやらそこかしこに溢れている。 その数およそ五十。 そう狭いわけでもない洞穴の通路を、我が物顔で満たしていた。 「やや、退路を断たれたようであるの」 「あちゃあ、どうすんの?お兄さん?」 「どうするも、こうするも、後ろのおっかないヤツの相手よりましだろ?」 そうだ。 さっさと道を切り開かなければ、補修を終えたドラゴンに追いつかれたら一たまりもない。 そう考えた俺たちは、退路を塞ぐトカゲの掃討にとりかかった。 「退きなさい!」 マルグレーテの剣閃が走り、首筋を斬り裂かれたトカゲが倒れる。 「邪魔すんじゃねえよ!」 俺がはがねの切っ先を叩きつけると、脳天をかち割られたトカゲが崩れ落ちる。 「ほほ、恨むなら、廻り合わせを恨むがよいぞよ」 そしてマロの和刀が舞い、瞬く間に九つのトカゲの首が落ちた。 やはり、このトカゲたちの動きは緩慢であり、斬り崩すのに困難さはない。 だが、前回もそうだったが問題はこの数だ。 『早くしなければ』と焦る心で、俺もマロもマルグレーテも、必死に得物を振るい、無心でトカゲたち斬り倒すしかなかった。 そんな時だ。 「なあ、なあ」 と、俺は背後から肩を叩かれた気がした。
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