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お姫様
私が生まれてから家ではお姫様扱い。
どこにでも連れてってもらったし、遊びにも行かしてもらった。
ある日、父親がアルバムをだしてきた。
この頃はもう私も小学校高学年。
思春期ってやつかな?
「ほら、みてみ?ユリが小せぇときの写真じゃ」
ユリとは私のこと。
「しわくちゃでキモいんぢゃな。」
父親とわらいながらアルバムを見てた。
ふと、あるはずの姿がないことに気がついた。
「なぁなぁお父さん。私とお母さんが一緒にうつっとる写真がないよ?」
「あ、あぁ…」
父は気まずそうに答えた。
まあ、小学校にあがってから母親とあまり喋ることはなかったし、両親共働きだったから母親と顔をあわせることも少なかった。
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