お姫様

1/2
前へ
/8ページ
次へ

お姫様

私が生まれてから家ではお姫様扱い。 どこにでも連れてってもらったし、遊びにも行かしてもらった。 ある日、父親がアルバムをだしてきた。 この頃はもう私も小学校高学年。 思春期ってやつかな? 「ほら、みてみ?ユリが小せぇときの写真じゃ」 ユリとは私のこと。 「しわくちゃでキモいんぢゃな。」 父親とわらいながらアルバムを見てた。 ふと、あるはずの姿がないことに気がついた。 「なぁなぁお父さん。私とお母さんが一緒にうつっとる写真がないよ?」 「あ、あぁ…」 父は気まずそうに答えた。 まあ、小学校にあがってから母親とあまり喋ることはなかったし、両親共働きだったから母親と顔をあわせることも少なかった。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加