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その空き家は長屋ではなく平屋建ての一軒家。
埃はかぶっているものの、多少の生活用品が残っている。
夜逃げでもしたのかなぁ と考えながら掃除を始めていた。
「この家さぁ……照明も無ければ、電気用品が一切無いんだけど」
「変だよな~。全部木製だし」
「はぁぁ……袴とか刀とかこの家とか何なの!? まるで時代劇の中に入っちゃったみたいじゃん!」
「それだよ!! 俺等時代劇の中に入ったんだよ!」
「どうやって入んのよ!? それこそ意味分かんないし!」
適当に掃除を終え、布団も何も無いので畳の上に寝転び休む事にした。
今は8月で真夏。
だがエアコンがないので寝苦しいはずだが、余程疲れていたのであろう。
お休み と言って凛と風魔はすぐに眠りについた。
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