10/33
前へ
/181ページ
次へ
その空き家は長屋ではなく平屋建ての一軒家。 埃はかぶっているものの、多少の生活用品が残っている。 夜逃げでもしたのかなぁ と考えながら掃除を始めていた。 「この家さぁ……照明も無ければ、電気用品が一切無いんだけど」 「変だよな~。全部木製だし」 「はぁぁ……袴とか刀とかこの家とか何なの!? まるで時代劇の中に入っちゃったみたいじゃん!」 「それだよ!! 俺等時代劇の中に入ったんだよ!」 「どうやって入んのよ!? それこそ意味分かんないし!」 適当に掃除を終え、布団も何も無いので畳の上に寝転び休む事にした。 今は8月で真夏。 だがエアコンがないので寝苦しいはずだが、余程疲れていたのであろう。 お休み と言って凛と風魔はすぐに眠りについた。
/181ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加