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凛が目を覚ましたのは、太陽が真上を過ぎた頃。
まだ眠そうに目を擦りながら顔を洗おうと、唯一の水回りがある台所へ向かう。
……
…………!!
「水道が無いんだけど……」
バサバサとどこかへ出かけていたのか、慌てて風魔が帰って来た。
「凛! 大変だよ!! 違うんだよ!」
風魔の慌てぶりに何かあった事を感じ、ゆっくり順序だてて話すように伝えた。
「俺早く起きたから、先に町の様子を見て来たんだ。そしたら……皆着物来てて、髪型も変だし……本当に俺たち時代劇の中に入っちゃったんだよ!」
!?
凛は急いで外へ出て屋根の上に飛び乗った。
人が集まっていそうな場所まで気付かれないよう飛び、建物の陰から通りを見た。
「はぁ……昨日の男たちといい、あの家といい、確かにその方が辻褄が合うよね」
後から追ってきた風魔に呟く。
「もしかしてタイムスリップってやつか!?」
「昨日私が気絶して、目を覚ましたら見覚えない場所に居た。その時に何かきっかけがあったのかも!」
「何かって何だよ!」
そんなの分かんないよ!けど、今は言い合ってる場合じゃない と言ってあの家に戻った。
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