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びょぉぉぉ
黒い闇の中、空高く地面に向かって落ちていく。
凛と風魔だ。
「起きろ! 早く!! 地面に叩きつけられるぞ!!」
凛のTシャツにしがみつきながら、風魔は必死に凛に叫び続ける。
それでも起きる気配を感じられず、意を決して凛の鎖骨辺りをおもいっきりクチバシでつついた。
つつくと言っても優しくではなく、血が吹き出す程強く。
しかしその血は流れる事なく、霧のように消えてゆく。
「……いっ!!?」
「やっと起きたか!? 早く飛べ!!」
風魔に言われ、初めて自分が落ちている事に気付いた。
凛は少し体に力を入れ、両腕で胸元にいる風魔をしっかり抱き、膝を胸に引き寄せる。
そのままフワッと頭が上を向き、脚を伸ばす。
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