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「はぁ~。助かった~。俺まじ死ぬかと思った」
凛の体から離れ、凛に向き合うように自身の翼で飛ぶ。
風魔によって傷つけられた所もほぼ治っている。
吸血鬼の体は心臓を壊されない限り死なない。
多少の怪我ならばすぐに治ってしまうのだ。
傷つけられた事は許せないが、あのままだと危なかっただろうと思い、風魔に感謝しつつ、どうして自分が落ちていたのか分からず、難しい顔をしていると風魔がため息をついた。
「はぁ……凛覚えてないの~? いきなり気絶したんだぜ! まじびびったし!!」
「えっっ!? ……覚えてない。でも! 何にもなくて良かったじゃん」
ぺろっと舌を出しておどけている凛に、風魔は呆れつつ 俺の苦労を知らない癖に…… とブツブツ呟いていた。
「ねぇ、それよりここどこ??」
下を指差しながら聞く凛に意味が分からず、指されている下を見る。
…………?
!?
「はぁ!? 何だよこの景色……ビルどころか、高い建物が一つもねぇじゃん!」
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