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「妙な着物を着てるが……女か? 悪いが手に入れたばかりのこいつの切れ味が知りたくてね」 袴に刀? まるで時代劇じゃん。 相手から来るんだからいいよね? 目を細め口元を緩めると、男は一歩踏み出し刀を振り上げた。 グシュッ 「ぐっっ……何が起こっ」 バタン 最後まで話す事なく男は倒れた。 地面には左胸に開いた穴から血が溢れ続けている。 「心臓なんて本当に久々」 うっとりした声で呟いたのは凛。 凛は男の隣に一瞬で移動し、左手で男の左胸をひとつきしていた。 「俺にも分けてくれ~!」 男の事など最早眼中にない凛たちは、屋根の上へ飛んだ。 ゆっくりと食事をする為に。
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