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あれから十年――
朝日が差し込んでいて、部屋の中は薄暗い程度、家具は机と服等を入れてあるちょっと小さいタンス、そして今俺が腰掛けてるベットぐらいの寂しい部屋で俺は朝を迎えた。
「ふぅぁ~・・・」
俺が今住んでるこの町―中央都市[天照]―に着てからもう十年になる。
始めの頃はいろいろと大変な事はあったけど父さんの知り合いの人達のおかげで今は普通に暮らしている。
「母さん・・おはよ~」
リビングに行くと母さんが朝食の準備をしている。
「あら、おはよう」
挨拶を返してから母さんは出来立ての朝食をテーブルの上におきながら。
「今日は入隊試験の日だよね?」
「うん、そう」
そう・・今日は父さんが隊長をしていた部隊―特殊戦闘部隊第一隊―の入隊試験日である。
―特殊戦闘部隊第一隊とは通常の陰陽師たちでは敵わない妖怪専門の部隊で、妖怪との大きな戦いのときは最前線で立ち回るのでそれなりの力が無いと入隊試験にすら受けられないほど大変な部隊である―
「そぅーそぅー、試験で倒す妖怪はもう決まってるの?」
「あー、うん確か・・・五級 の大蛇って言ってたよ」
特殊な部隊だから試験の内容も大変だ。
五級って言うのは妖怪の妖力、戦闘力の総合で、弱いやつから順に一級、二級とあり最大八級まである。
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