双子とうさぎ

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「ルーイ、起きて」 いつものように、今日が始まる。 瑠架に起こされて、眠たい目をこすりながら、 「…おはよ、」 って。 ─北原 瑠唯。 今年桜来高校に入った平凡な一年生。 部活には一応剣道に入った。 レギュラーに入れてくれるともいった。 でも断った。 「うん、おはよ。朝ごはんできてるよ」 瑠架は、俺の双子の兄貴。 身長も、顔も一緒。 だけど、ルカは髪をワックスでふわふわにしてるから俺と間違われる事はない、はず。 「…ねむ、」 俺とルカしかいない広い家は、俺の廊下を歩くスリッパの音が虚しく響く。 4月に高校生になってから早二ヶ月。 窓に滴る水滴の向こうは、しとしと雨が降っている季節。 「今日ひなた迎えくるって?」 「え?あー……バスで行くって」 ルカに聞かれてディスプレイを開くと見慣れた名前で、ごめん、の文字。 「じゃあ今日は俺と二人っきりで登校デートだねー。相合い傘しちゃう?」 「バカ言わないの。ほら、パン食べれない」 「ルイつめたーい」 心地いいテノールの声で首に腕を絡ませたルカは拗ねた素振りでソファーに座って朝の占いを見始める。 日向今日こないのかー。 日向は、1ヶ月前に部活でたまたま会って仲良くなった小さくて可愛い美少年。 どこにいても目立つ金髪が、頭にふと浮かぶ。
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