第一節 始まり

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因みに、さっき行ってきた案内所は、普段はこの仕事の依頼を見てどれをやるか選ぶギルドになっている。 あたしは午前中に講習を受け、この仕事についての危険性・重要性を学ばされた(といっても、「危険は伴うがここに来た時点で後戻りはできない。日本を守るため、そして自分を守るため、せめて死なないように頑張ってくれ」という感じの内容で一見ヒーローっぽい扱いだが実際はほとんど脅迫じみていた)。 そしてそのあとにあたしが貰った紙によると、これからあたしがお世話になる人の名前は、『諸刃』って名前らしい。 でも、読みがわからない……“ショハ”かな? あたしみたいに、わかりにくい名前だよね? まあ、それはともかく、まずは諸刃さんに会いに行かなきゃ。 あたしは再び、白いコピー用紙に印刷された写真に目を落とした。 だんだん不安になってくる。 だって普通、ベテランって言ったら、立派な大人の男でしょ?(偏見) なのに、この人は……あたしより少し年上の、細身の青年! そして、肩あたりまで伸ばした銀色の髪を、まるで夜の繁華街で客引きする男のようにセットしている。 更に、少し甘めの、モデルのように整った顔立ち。 その風貌から、いかにも女好きそうな雰囲気が漂う……。 つまり……あたしの人生、波乱の予感。
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