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いつも髪を切ってもらっている、美容師さんが、
「ロンドンで、ギャルソンは、すごくクール」
と言っていたので、選んだ、コムデギャルソンのバッグ。
合わせて、白のシャツと、上にはおったカーディガンも、ギャルソンのもの。
龍一先生が、リビングスペースに戻ってきて、訊く。
「またクローゼット使ってね? 今、荷物の整理する?」
「…後にします。それより今は、先生がいい…」
私の言葉に、先生は驚いて、外国人の様にオーバーに両腕を広げて、
「本当に?」
そう言って、そのポーズのまま、固まってみせた。
だから私は、その腕の中に、その胸に、身体を預けた。
「先生の側にいたい…」
すぐに抱きしめてくれた、その腕の力が、気が抜けたように緩んで、
「側に?」
溜め息混じり、だ。
「はい」
私の身体を引き剥がして、
「本心?」
顔をのぞき込む。
「本心、て? 私、先生と一緒にいたい…。だめ?」
先生の言いたいことは、分かっているので、目を合わせられず、俯いてしまう。
「僕は、そうは思っていないから」
冷たい口調。
「…そうなの?」
単純に驚いて、悲しい気持ちに途端に襲われて、顔を上げた。
「僕は、詠子ちゃんと、したいことがあったのだけど。詠子ちゃんは、違うんだ…」
淋しそうに言うけれど、目は…笑ってる。
「……」
…やっぱり、無理。私が、先生を翻弄してみよう、なんて。
「同じ気持ちでは、ないんだ? 残念…」
だんだん、笑い顔になっていってる。
「…ごめんなさい。身の程知らずでした」
「分かれば、よろしい」
ぺこりと下げた、頭をなぜられた。
気持ちいい。頭をなぜられるのって、大好き。
その気持ちよさが伝わったのか、先生はしばらくそうしていてくれる。
…でも。気付けば、その左手の動きは、様相を変えて、頬や耳や髪の先や、を撫でて、私はその、また別の心地よさに、うっとりして目を閉じる。
…!
悪戯な龍一先生の手が、胸をぺろん、と撫でた。両胸を…両手一緒に。
目をつぶっていた不意打ちに、
「きゃあっ!」
声を上げて、たじろぐ。
先生は、私の反応に気を悪くするどころか、むしろ喜んで、
「詠子ちゃんは、こういう、気持ちよさは、嫌い?」
「…嫌い、じゃないです。でも…」

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