日常

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カッカッカッカッ。 チョークを走らせる音が、教室に響く。 時節発せられる言葉に、授業中ながらも笑い声を上げたり。 どこにでもある、普通の学校の授業風景。ただ、普段より大人しく、比較的静かだ。特に、真面目な人ばかりがクラスに集まったわけではない。時期が問題なのだ。 ―私立倖央学院高等部。 それが私の通っている学校だ。 文部両道がこの学校の方針で、遊べるときに遊び、学べるときに学べ。そういった厳しいが緩い学校なので、学生には人気の学校である。 今は9月。体育祭も終わり、残す大きい行事は文化祭だけ。 学校の方針と、私立ということもあり、こういった行事は結構大掛かりなものとなる。 勿論全て生徒が考えて、準備し、当日を迎える。 なので準備期間が非常に長い。10月は殆ど準備期間に当てられる。その期間の間は授業も無い。 ただし、10月の始めにテストが行われ赤点を取った人は、準備期間の午前中全て補習授業となる。 だから今は物凄く静かなんだ。 そんな授業の無い準備期間中に補習なんて、誰でも嫌に決まってる。
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