日常

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私はそういったイベント事などに熱くなるタイプではないが、やはり補習は勘弁してほしい。ましてや、みんなが授業を受けなくて良い日に補習なんて。 それに、私だって学校行事を楽しみたい気持ちはある。だから私は、静かに授業を受けるみんなと一緒に、柄にもなく熱心に、シャーペンをノートに走らせている。 まだ9月の後半。残暑がまだまだ厳しい(くそう、地球温暖化め)。うっすらと汗ばんできた頬に、風が通り抜けた。窓から時折吹いてくる風が心地良く、ふとシャーペンの手を止め、窓の外を見た。秋らしい、澄んだ青空が広がっていた。グラウンドからは、体育のクラスがあるのか賑やかな声が聞こえてくる。思わず口元が緩んだ。 そうだ、弁当は屋上で食べよう。たまには、一人でゆっくりするのも良いかもしれない。 勝手にそう思い、我に返るとかなり進んでいる黒板に、焦ってシャーペンを持ち直す。 必死になって追いついたと同時に、授業終了のチャイムが鳴った。
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