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『………ッ!…………さ!………………か?』
深い深い闇の中、何か声が聞こえる。
『………ッ!………かさ!…………………か?』
だんだんとはっきりと聞こえるその声は、子供の頃からよく聞いていた。唯一無二の親友の声だ。
『………ッ!……つかさ!………………い…か…?』
だがその声は珍しく焦っていた。例えるならそう、奴の秘蔵幼女写真集が母親にばれて俺の家に逃げて来た時に似ている。
『……ホッ!…いつかさ!…………な…い…か…?』
そして段々顔になにか熱い吐息のようなものがかかると同時に、声がはっきりと聞こえた。
『ウホッ!いいつかさ!や ら な い か ?』
『うわぁぁぁぁぁあああ!』
―――ボキッ!
俺は悲鳴を上げると同時に上半身を左に捻り顔にかかる大変不快なものの主を力の限り殴った。
『もう///つーちゃんっていったらいきなり激しいんだかあぁぁあばばばばギブッ!ギブッアッ!体からいろんな液体でちゃうから!』
とりあえずキモかったからヘッドロック決めてみたが余計キモくなりそうだったからやめておいた。
『ゲホッ!ゲホッ………起きないから死んだのかと思って死んだ男もおっ立つ蘇生方を…………すみません。すみません。本当にすみません。』
ろくでもないことを口走っている智樹に偶然ポケットに入っていたボールペンを喉に突きつけたら急に謝り始めた。いっそそのまま喋ってくれてたらよかったのにな。
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