第一章:謎の玉

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いい加減腐った人間の相手は飽きてきたので周りを見渡す。 時間は夜なのか真っ暗で辺り一面木、木、木これでもかってぐらい木。しかもものすごく背が高い。天を貫かんばかりだ。 たくさんの背の高い木が密集している森。そして夜。 この条件が揃っている場所を不気味と言わずとしてなにを不気味と言おうか。 だが、その木の間から見える星空は見とれてしまうほど幻想的で今まで見たどんな星空よりも綺麗だった。 星空に見とれたあと今自分はそんなことをしている場合ではないことを思い出した。 『………ここどこよ?』 そう、この景色に俺は全く見覚えなどない。こんな不気味な森が近くにあったら無邪気と好奇心に満ち溢れていた小学生の時に攻略しているはずだ。 『まったく予想もつかない………がとりあえず幼女はいそうにないな』 智樹が悟りを開いた仙人のようなオーラを出しながら国家権力の方々に聞かれたら即、職務質問になりそうな発言をする。 『とりあえず一回死ね、ロリコン』 『二次元に飛べるのなら何万回……否!何億回でも死んで見せよう!』 俺の毒気をふんだんにいれた暴言を全く気にすることなく自分自身の願望を口にしてみせた。 でもね、そんな堂々と言われてもね?読者の皆さんが引いてくだけなんだけどね。絶対人気投票とかしたら0票だってこいつ。 『それにしても不思議だな。』 こいつもやっと自分の存在に対して疑問を持ち始めたか。 『それが必要なのは司ちゅわんでしょwww不思議なのは場所と空。』 智樹が急に真剣な顔つきで親指と人差し指を曲げ顎に当てる。いかにも考えているというポーズだ。 ただ、前半部分は非常にむかつくに加えてさも当たり前のように俺の心の中を読んでるあたりもさらにむかつく。
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