第一章:謎の玉

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『たしかに場所は分かるが空はなにが奇妙なんだ?』 俺が疑問を口にすると智樹が右手の人差し指をたたせる。 『わかっていると思うけど一個づつ確認していこう。一つ目、場所だ。俺たちがそこに転がっている玉を掴んだ場所は確かに空き地だった。』 智樹が空いた左手で差した場所にはあの玉があった。つい先刻、白い自身から黄金色の光を放っていたとは考えられないほど黒くくすんではいたが。 智樹は、その事実を気にせずどんどん話しを進めていく。 『だがここは見たこともない不気味な森だ。俺達の町には少なくともこんな森はなかったし近くの町にもこんなのはなかったはずだ。』 智樹の言う通りだった。これだけの高い木が生い茂っている森が近くにあるならなにかしらの情報が入っているはずなのだ。 『そして、俺達は空き地で玉を掴み手が離れなくなってて急激な眠けに襲われて寝たって感じであってるよな司?』 自分に起きた摩訶不思議な体験のとその時に一緒にいた俺に起きたことが自分と一緒であることを確認していたようだったので無言で頷いた。 『それならば………俺達はなんでここにいるんだろうな?寝てたはずだから俺達は動けない。』 『つうことは、そんな状態の俺達をこんなどこだかわからない大層な森まで運んでくれた誰かがいるってことか?』 本人が動けないのに移動してるってことは、第三者が俺達を運んだってことになる。 でも、誰が?なんのために?こんな大の男二人を移動させるなんて大変な作業をしたのだろうか?
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